Title 第194回海外韓国学コロキウム
Date 2025-10-14 Views 15
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韓国学中央研究院・国際交流処の海外韓国学支援室は、2025年9月25日(木)に文衡館・大会議室で「第194回海外韓国学コロキウム」を開催した。今回のコロキウムは、本院の2025年度フェローシップ研究者らが、これまでの研究成果を発表し、学術的な交流を深める場となった。


シドニー大学のブノワ・ベルテリエ(Benoit Berthelier)教授は、「イデオロギーを超えて:北朝鮮における科学に関する議論とテクノクラートの権力」というテーマで発表を行い、北朝鮮の科学者や技術専門家が国の政策全般に及ぼした影響と、正当性の構築過程を明らかにした上で、北朝鮮の政治権力構造を新たに解釈するための視点を提示した。従来の北朝鮮研究が主に政治指導者のカリスマ的権威に焦点を当ててきたのに対し、今回の発表では、「テクノクラートの権力」という新たな分析枠組みが提示され、北朝鮮の政治構造に対して多角的な視点で理解を深めることができた。


続いて、デ・ラ・サール大学のバブルス・ビバリー・アソール(Bubbles Beverly Asor)教授が、「移住者へのケア、それ以上?:韓国社会の移住者統合において流用可能な宗教組織の役割」というテーマで発表を行った。教授は、フィリピン人移住者のコミュニティについての研究をもとに、カトリック教会が単なる宗教的な機能を超えて、福祉の提供、ケアネットワークの形成、共同体の構築など、移住者統合のプロセスにおいて中核的な役割を果たしていると分析。特にジェームズ・コールマンの「流用可能な社会組織」という概念を用いて、カトリック教会が韓国社会の移住者統合の場において、どのように再構成され、活用されているのかを詳細に論じた。

 

今回のコロキウムには、多くの国内外の研究者や大学院生が参加し、活発な議論と意見交換を行った。また、発表後の質疑応答でも、活発な学術交流が行われた。海外韓国学支援室は、今後も国内外の韓国学研究者が自由に交流し、研究成果を共有できる場を提供していく予定だ。

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