Title 第193回海外韓国学コロキウム
Date 2025-09-11 Views 23
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韓国学中央研究院・国際交流処の海外韓国学支援室は、2025年8月27日(水)に文衡館・大会議室で「第193回海外韓国学コロキウム」を開催した。今回のコロキウムには、本院の2025年度フェローシップ受給者であるEd Pulford教授(University of Manchester)とTuemei Tian教授(天津師範大学)が参加し、それぞれの研究成果を発表した。

 

Ed Pulford教授は、「『グローバルチャイナ』時代における朝鮮族のアイデンティティと機会」というテーマで発表を行った。ソウルで実施した民族誌的調査と文献研究をもとに、朝鮮族コミュニティが多層的な現実の中でどのようにアイデンティティを形成し、機会を模索しているのかを分析した。特に、大林洞や加里峰洞といった地域社会における社会・経済的変化、韓国社会全般の政治・社会的動向、さらにはソウルと北京の国際関係の変化が、朝鮮族の生活とアイデンティティにどのような影響を及ぼしているかを論じた。Pulford教授は、こうした朝鮮族のトランスナショナルな経験が、“グローバルチャイナ”という、より大きな文脈において重要な事例となり得ることを強調し、聴衆の関心を引きつけた。

 

Tuemei Tian教授は、「領選使・金允植の作品における近代天津の文学地理学」というテーマで発表を行った。1881年に金允植が領選使として学徒や工匠69人を率いて中国・天津に滞在した際に残した様々な著作――『領選日記』、『天津談草』、『雲養集』、『続陰晴史』などを分析した。特にこれらの作品に描かれた天津の自然景観と人文景観を通じて、近代都市・天津の文学的意義を明らかにし、伝統的な東アジアの秩序が解体されつつあった激動期における朝鮮知識人の中国意識の変化と内面的転換を考察した。Tian教授は、これを通じて、金允植作品の文学史的意義のみならず、近代の韓中交流に関する研究にも新たな示唆を提示し、聴衆の注目を集めた。
 

今回のコロキウムには、多くの国内外の研究者や大学院生が参加し、活発な議論と意見交換を行った。また、発表後の質疑応答でも、活発な学術交流が行われた。海外韓国学支援室は、今後も国内外の韓国学研究者が自由に交流し、研究成果を共有できる場を提供していく予定だ。

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